不審な出演依頼

激甚災害への対応は、前例がない判断をいくつも迫られる。バナー広告や広告メールはいつ止めるのか、募金の受け付けはいつ始めるのが妥当か――。セオリーがない場面で「迅速に判断していくことが大変だった」と同社事業戦略統括本部の佐竹正範さんは語る。担当者らはYahoo!メッセンジャーなどで連絡を取り合い、夜通し作業した。

 膨大なトラフィックの処理にあたる者もいた。「募金の受け付けを始めたら、Yahoo!ボランティアのサーバがきゅうきゅうになってしまって」と、同社R&D統括本部FE開発本部メディア開発部の高田正行部長。Yahoo!をかたる義援金振り込め詐欺が発生し、注意を呼びかけるという一幕もあった。

●東名阪に70人 24時間開発OKの緊急体制へ

 週が明けた14日、同社の喜多埜裕明COO(最高執行責任者)の呼びかけで、Yahoo!は「第2次緊急体制」を敷いていた。エンジニア、Webデザイナー、ディレクター約70人を東京、名古屋、大阪の3カ所に配置。あらゆるニーズに対応するため、24時間いつでも開発からサービス提供までできるシフトを組んだ。

 東京オフィスの会議室は、震災関連サービスを開発するための特別室に変身した。担当者は普段のデスクを離れ、今も特別室で業務にあたっている。前方にはNHKの映像を常に流す大型のスクリーン。毛布や食料も部屋に用意し、昼夜なく運営にあたるという覚悟を感じさせる。

 「Yahoo!のコンセプトは“ライフエンジン”。人の生活のあらゆる局面で役に立ちたいと思っている。災害のときもさまざまな角度から何か助けになるものを用意したいという思いだ」と、同社メディア事業統括本部メディア企画部の川邊健太郎部長は語る。

 14日は東京電力の計画停電がスタートした日だ。Yahoo!は前もって節電情報のまとめページを公開。その後、検索結果にも停電情報を表示するようにした。

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